「犬むすびの松」という植木を、ご存じでしたか ? かつてJR三鷹駅から吉祥寺方面に向かう御殿山2丁目の、玉川上水沿いに植えられていました。推定樹齢約100年のクロマツです。 このクロマツには、珍しい言い伝えがあり、犬むすびの犬とは「狼」、むすびというのは「オニギリ」のことで、時代は、いまの中町周辺が八丁野と呼ばれた頃です。 ある旧家の屋敷の片隅にカヤの大樹がありました。その根株に狼夫婦が住みついて、子どもを育てていました。近くの農家の方たちも畑を荒らす狸や狐を追い払ってくれるこの狼をかわいがっていたところ、親狼がポックリ死んでしまいましたので、玉川上水の土手に植えてあったクロマツの根元に埋めました。 その後は、毎年4月15日の命日に赤飯を炊いてお供えし、おさがりを種にしてたくさんの赤飯や米飯を蒸かしました。厄除けのオニギリとして農家に配ったと伝えられています。麦や雑穀を主食にしていた村人たちは、オニギリが大変なご馳走でした。やがて年中行事となり、農家の団結を固くして、昭和15年ごろまで続いたそうです。
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