吉 祥 寺 圏
前進座劇場(吉祥寺南町3-13-2)

前進座の創立は昭和6年です。歌舞伎界の古い因習を打ち破り、日本の伝統芸術を受け継ぎながら、さらに新しい演劇の発展をめざそうと、同年に旗揚げ公演をしました。以後、歌舞伎はもちろん、歴史劇、現代劇、翻訳劇、ミュージカルといまも多彩な活動を続けています。吉祥寺に前進座演劇映画研究所ができたのは昭和12年6月のことです。

けいこ場、事務所、住宅からなる劇団員の共有施設は、芸術への理想的な実現と注目されました。この施設からは、木造平屋だった当時の吉祥寺駅が畑の向こうに見え、近くの雑木林には狸が住んでいたそうです。創立50周年を前に、半世紀の歩みを記念する事業として小劇場の建設が計画され、老朽化した研究所も建て替えることになりました。ところが、所有地が法律上劇場建設のできない地域で、計画をすすめるには都知事の特別許可が必要でした。

そこで地元市民を中心に、全国のファン3万人以上が署名に協力し、市も応援して許可がおり、劇場建設のために市民による募金委員会が発足し、資金源として所有地の一部を市に売却(現南町コミュニティセンター)、昭和57年に劇場が完成しています。