武家屋敷といえば、映画かテレビの時代劇のようでワクワクするものがあリます。八幡町3丁目、五日市街道から奥まったところに井口家の長屋門。門をくぐった正面にあるのが武家屋敷と農家を折衷した名主役宅です。この辺リは昔関前新田とよばれ、享保9年(1724年)に井口家8代忠左衛門重義がいまの練馬区関町から移って開発に従事しました。屋敷はそのころに建てられたものです。玄関は、役宅としての格式をあらわす式台と4枚の舞良戸があリます。屋根は、現在改造されていますが、茅ぶきの入母屋造リてした。
では家のなかを拝見してみましょう。奥座敷の床の間の書院、らん間は新しくなっていますが、当時の雰囲気は充分に伝わってきます。
10畳の居間の南側には平書院、はめ殺し障子が備えられ、代々の名主がこの前に机を置いて事務をとった様子など偲ばれます。また土間に面した柱に穴が掘られ、隠しトンボと呼ばれる横木が仕組まれています。養蚕の時期になるとトンボを出して根太受けとし、板をはって15畳の座敷を一体にむしろを敷き、作業をしました。この役宅は昭和46年4月市重宝の指定を受け、現在、「井川家郷止資料室」として市民に公開しています。

さて庭に目を向けると、長屋門の右手に大きなサンシュユの木。 高さ6m、根元周囲が1.7mあリます。寛延3年(1750年)、江戸郊外の新田開発をねぎらって大岡越前守忠相から賜ったもの。いまも3月の初めに、黄色い小花を枝いっぱいに咲かせます。また、裏の畑の奥に屋敷神として稲荷社がまつられていますが、その境内にマサキの生垣に囲まれてヤマツバキの大木がいきいきと茂っています。高さ7m、根元周囲2m、樹齢は250年以上と推定されます。サンシュユは昭和46年4月に、大ツバキは昭和50年3月、市犬然記念物に指定されました。